自転車と家族の日記

My Life with bicycle

風邪の医療化は正しいか?

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昨日読んだ本から引用.わたしの意見とまったく同じです.

(風邪についての)小児の治療はどうだろうか.乳幼児に市販の医薬品を服用させる前に,親は医師に相談しよう.アメリカ食品医薬品局(FDA)によれば,二歳未満の乳幼児には風邪薬や鎮咳薬を与えてはいけないという.副作用の危険性が高すぎるからだ.じんましん,眠気,呼吸困難を引き起こし,場合によっては死にいたることもある.FDAは二~十一歳までの小児におけるこうした医薬品の安全性に関する調査を完了してはいないが,大半の専門家は医薬品の投与は好ましくないと考えている.とりわけ六歳未満の乳幼児についてはそうだ.アメリカ小児科医師会(ACP)はこの年齢制限を十四歳まで延長している.ハーブや代替医療の製品を小児に与える前に,親は医師に相談するほうがいい.こうした治療法が子どもに与える影響はほとんど研究されておらず,ひときわ慎重になることが望まれる.
 そしてトーマス・ボールの次の助言を心に銘記しておこう.「風邪のような自然現象を『医療化』してしまうことで,ある治療法がほとんど失われるか忘れ去られています」.
「私がこれを始めたのは,私が『医薬品』を処方しなくても,親にはできることがあると彼らに思い出してもらうためでした」と彼は語る.「鼻腔内吸引と『タイレノール』のほかに,自分たちにできることがたくさんあると知り勇気づけられる親御さんたち(もちろん医院に子どもを連れてくるのは母親が多いので主として母親になりますが)が多いことに感動しています.親の肩から力が抜け,顔から緊張感が薄れていくのです.愛情たっぷりの親のもとで育った子どもは,風邪のウイルスにやられたときどれほど元気づけられたかを覚えています.お望みなら,この効果に好きな名前をつけて結構ですよ.プラシーボ効果でも,ストレス減少でもね.でも,それは重要である反面,悲しいことに忘れさられることがあまりにも多いのです」

《引用終わり》

 成人は年に数回,乳幼児はその数倍の風邪を引きます.そのほとんどはウイルス感染症で,数日の経過で自然に治癒し,その結果抗体を獲得しますj.たとえば,赤ちゃんに非常に強い症状を出すRSウイルス感染症も,何度か感染を繰り返すうちに軽症化していくことが明らかになっています.乳幼児の間にさまざまな感染を受けることは,成長と発達にとって必要で,自然なことであると考えられます.
 しかし,わが国は世界一医療機関へのアクセスが良いために,多くの風邪症状の子どもが医療機関を受診しています.“風邪を引いて自然に治る”という経過に,医療的介入が行われることが普通になっており,多くの場合は抗生物質をはじめとする様々な投薬が行われます.その背景には,風邪の診断はきわめてあいまいで様々なリスクをはらむために,医師がリスクを避けるように投薬してしまうのです.
 結果として保護者(主に母親)は,自然に治るものを,投薬のおかげで治ったと勘違いしてしまいます.実際はほとんどの投薬には効果はないので,新たなリスクを生み出しているだけなのですが.
 もっと問題なのは,子どもが風邪症状で苦しがっているとき,母親が「自分で治した」と経験することを邪魔してしまっていることです.自分が苦しいときに助けてもらえば,誰でも一生覚えているものです.愛情を持って看病された経験は母と子の絆を固いものにするでしょう.医療的介入は,母子にとってもっとも大切な信頼関係の構築にも影響しています.子どもが咳をしたからと,背中にホクナリンテープを貼るだけで安心している親の態度を,わたしは決して良いものだとは思えません.この偽咳止めテープには薬を飲ませる手間さえないのです.せめて母親自身の手で,ハチミツをスプーンいっぱい飲ませて欲しいのです.
 実際のところ,医療は素晴らしいものです.しかし,過剰な医療は,多くの人を苦しめます.日本の医療制度で診療を行っている医師は,どこまでが必要なのか?を常に自問しながら,自らの診療行為を修正していく姿勢が必要になります.

酔っ払って書いた暑苦しい文章ですいません.雑誌“治療”の子どもの風邪特集を作成中.こんな感じの主旨で書こうって思っています.秋に発刊されます.
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  1. 2014年06月19日 07:09 |
  2. 風邪はぜったい治療するな
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

言われることに全面的に賛成です。かぜの科学の本買って読んでみます。私のblogの記事も先生の意見にかなり影響を受けそうですが、それは自分の感じていることを先生が文章化されるからでしょうね。
  1. 2014/06/20(金) 11:21:21 |
  2. URL |
  3. nori #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

noriさん ありがとうございます.

先生のブログ,拝見しています.食物アレルギーに関して,わたしの方が過激な考え方ですね.


> 言われることに全面的に賛成です。かぜの科学の本買って読んでみます。私のblogの記事も先生の意見にかなり影響を受けそうですが、それは自分の感じていることを先生が文章化されるからでしょうね。
  1. 2014/06/21(土) 00:02:02 |
  2. URL |
  3. たつお@奈良 #-
  4. [ 編集 ]

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