自転車と家族の日記

My Life with bicycle

どくとるマンボウ航海記,

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1年前に亡くなった北 杜夫さんの本を久々に読んだ。

北さんって、きっと目の前の風景をビジュアルに覚えることができる人なんでしょうね。

一部抜粋

翌日、次第にうねりが大きくなってきた。日本の方角は雲がたむろし、島があるようでにようで判然としない。前甲板は完全に波に洗われている。船首に波がぶつかってくだけちると、それが無数のしぶきとなって船上を横ぎる。波は遠くの方は泥か粘土の造り物のように見え、近づくにつれて生きてのたくって踊っている。日が雲にかくれ、また現われ、それにつれて海面は刻々に変化する。その変化は千様であり、山のそれよりももっと素早く、また荒々しくとりとめもなく、一定の規範を有しない。

こういった文章はさすが。海の描写とか素晴らしい。

北さんは航海から帰った後にこの本を書いた由だが、メモだけではこんなこと書けんし、写真に撮っていたってことでもなさそうです。脳内にこういった風景ががっつりメモリーされてんでしょうね。

読んでると物語のあちこちにユーモアがちりばめられていて、当時としてはこういう本はなかったから新鮮だったでしょう。
今読んでも十二分に面白い。ただ話題がポンポン変わる。読者が分かりやすいようにって配慮はあまりない。作者が書きたいように書いた本で、今のように読者視点でないんですね。良く言うと媚びてないってことになる。

久々に読んだが、意外と少年向けでなく、成人向けの本のように思う。
作者が意図しないうちに少年たちが読んだってことでしょう。


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  1. 2012年12月07日 23:01 |
  2. 読書と映画の記録
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